タタン、タタン…
電車は音をたててわたしたちを次の駅に運ぶ。
―確かに何度か告白されたことはあるけど、好きじゃない人と付き合うのは相手に申し訳ないし…。
かと言って今好きな人がいるわけじゃないし…。
「あーあ!恋したーい!」
「告られたら付き合っちゃえばいいじゃん。」
そんなことを話しているうちに降車駅に着いたようだ。
「軽く言うねー君は。」
ため息をついてそう言うと、
「まっ、結衣ならすぐ彼氏出来るって!」
陽菜乃は他人事のように言って立ち上がった。
「そのセリフ高校に入って何回聞いたことか…」
へへへ、とごまかす様に笑う陽菜乃を少しにらみつけてわたしも立ち上がった。