「アオイく、」


「ユイちゃん、お母さん来てくれるといいね。」


「えっ、う、うん…」



さっきまでの表情を押し込めるみたいにアオイくんは笑った。



しばらくすると人混みをかき分けてお母さんが切羽詰まった様子でやって来た。


「結衣っ!」


「お母さんっ!」



わたしは思わずお母さんに抱き着いた。



「どこ行ってたの!心配したでしょ!」



お母さんの目が少し潤んでいるのに気づいてわたしも涙をこぼす。


「ごめんなさい…」