「じゃあ、お名前と何歳か教えてくれるかな?」
わたしはアオイくんの手を握り直して言った。
「せ、せじま ゆい…です。7歳です。」
「セジマ ユイちゃん、7歳ね。じゃあアナウンスかけるから、そこの椅子に座って待っていて。」
わたしたちが椅子に座ると同時にアナウンスがかかった。
『お客様に迷子のお知らせをいたします。ピンクの花の浴衣を着たセジマ ユイちゃん、7歳を大会本部にて―…』
おじさんがアナウンスをしている間にわたしはアオイくんに気になっていたことを尋ねた。
「ね、どうしてさっき神社に来てたの?」
「あそこ、きれいに花火が見えるんだ。毎年おれ、あそこで花火見てるから。」
そう言ったアオイくんの目はなんだか少し寂しそうだった。
