「あの、すみません。」
わたしたちに気づいたおじさんは屈んで人の良さそうな笑みを浮かべた。
もともと人見知りしやすいわたしは咄嗟にアオイくんの後ろに隠れた。
アオイくんは後ろにいるわたしに柔らかく微笑んだ。
そして背中を優しく押して自分の横に並ばせる。
知らない大人と話すのは少し怖かったけどアオイくんがまた手を握ってくれた。
「この子、迷子になっちゃったみたいで…。」
「そうかぁ…じゃあ、ちょっと放送するからこっちに来てくれるかな?」
わたしはアオイくんが頷いたのを見て慌てて頷いた。
そして、2人で本部に入り、おじさんの後をついていった。
