「いーんちょー、ごめんっ! 用具準備の人数たんなくてさっ。手伝ってもらっていい?」
「うん、いいよ」
「ありがとーっ!」
手を合わせて雨宮さんは笑って言った。
雨宮さんと話しながら、本部へと歩く。
「つばさ〜、お前何出んのー?」
「俺リレーと100m!」
「お、一緒! ジュース賭けて勝負しよーぜー!」
「おぉーっ!」
翼くんと、他のクラスの男の子が笑いながら、話している。
ぁ。
一瞬目が合い、あたしは思わず逸らした。
……予選が終わって、さらに話しかけづらくなった。
あたしは、お昼も、もう参加していない。
……最初に、戻っただけ。
翼くん達と話さない……夏休み前に戻っただけ。