試合が終われば、翼くん達のチームが出て来た。
練習以上に声をだしている。
……あれ。
さっきから……翼くん、シュート入ってない。
悟史くんは、いつも通り入ってる。
……翼くん?
翼くんの表情は、いつもの明るい笑顔でも、真っすぐで真剣な表情でもなかった。
どこか、焦っていて、集中してない感じ……。
──ピーーー
その音と同時に、灰色の服に、黒いズボンを履いている人が指を三本立てて《ピッ》と笛を吹いた。
タイマーはちょうど三分をきっている。
合図……なのかな。
その合図と同時に、みんなは円陣を組み始めた。
「絶対勝つぞぉっ!!!」
『おぅっ!!!』
悟史くんの声に続いて、みんなも声をあげる。
その光景に、あたしは、憧れの目を向けることしかできなかった。