な、なにかおかしいこと言ったかな……。 「俺たちは、矢野さんに優しくした覚えはないよ」 「え……。そ、そんなことないっ」 だって……、あの温かい輪を教えてくれた。 優しい言葉を、たくさんくれた。 「俺が言うのもなんだけどさ、矢野さんは、もう少し 自分を上げて生きた方が良いと思うよ」 自分を……上げて? 「アップ始まるから、行くな? 試合はそこの階段を上がれば見れるから」 優斗くんはそう言って、走って行ってしまった。