下校時刻30分前になって、あたしは片付けをして体育館へと向かった。
翼くんに……もう一度言葉をかけるために。
体育館のドアに手をかけた時だった。
「ふっざけんなっ!!!!!」
突然、中から怒声が聞こえて来た。
この声……悟史くん?!
あたしは、ゆっくりとドアを開く。
見ると、翼くんが仰向けに倒れていて、悟史くんは翼くんの上に股がって胸ぐらを掴んでいる。
「お前、大会明日なんだぞ!! わかってんのかよっ!!!」
明日……っ?!
「んなの、わかってる……っ」
「んじゃ、今日の練習はなんだよ。お得意のドリブルを一年に止められてんだぞ? それで城智に勝つ? 笑わせんなよ。NBAプレーヤー? 夢見てんじゃねぇよっ」
「それ以上言ったら、いくら悟史でも許さねーぞ」
「……ッ。お前、決めたんだろ? 勝つって。その身長でテッペン目指すんだろ?
だったら、
あんな奴の一言に負けんなっ!!!」