チャイムが鳴って、あたしも教室に入って、自分の席に座る。

授業が始まっても、全然授業に集中はできなかった。



……何度、若葉ちゃんは言葉をかけたんだろう。


それで、その言葉は全部……届かなかったんだ。


『みんなそう言うっ』


そう、距離を置かれてきたのかな。


若葉ちゃんは、



……何度、涙を流したんだろう。



言葉が届かない辛さを、あたしは昨日知った。


だけど……




若葉ちゃんはそれを知って、

今までずっと、それを痛感してきたんだ。


そんなにも頑張って来た理由は、きっと1つだけ。





翼くんが、好きなんだ。