「……んじゃ、戻るな部活」 「ちがうっ!! 全然、翼くんは悪くないよっ」 翼くんはドアを開けて、こちらに振り向いた。 そして、切なそうに笑ってこういった。 「みんなそう言うっ」 あ……っ。 「んじゃ」 翼くんはそう言って、美術室を去って行った。 あたし……間違えた。 かける言葉、間違えたんだ。 あたしは、美術室でしゃがみ込んで、静かに涙を流した。