【完】大好きでした。





「じゃあ、種目決めからー。委員長、種目表見せてー」

「……ぁ、う、うんっ!」

あたしは、雨宮さんに委員会で受け取った種目表を渡した。

「ありがとーっ!」

クラスの人に、笑顔を向けてもらえたの……初めてかもしれない。

いつも、一人で……クラスの女の子の輪には入れなくて。

体育とかでは、輪の中に入れても、喋ることはないに等しい。



だから、こんな風に笑顔を向けてくれるのが、



すごく、嬉しくて。




ねぇ……翼くん、

翼くんは、ほんとにすごいね。



あたしなんかに……こんなにも、




温かい輪をくれるんだから。