「ぁ、そーだ。体育祭、お前ら何に出んの?」

翼くんは、暗い雰囲気とは真逆の笑顔で、聞いた。

「お前……よく笑えんな」

「? 別に、気にするよーなことじゃねーだろ。城智学園だろーが、インターハイ優勝校だろーが、つかは当たるんだし。

それに、どんな相手だろーが、勝つんだしさ」


翼くんは、すごい。

バスケのプレーもすごいけど、それだけじゃない……。


みんなのやる気を、一瞬で引っ張り上げちゃうんだから。


「まぁ、インターハイに出場してるぶん、データーはいっぱいあるしね」

「そうだな。まだ時間はあるし」


……ほら、さっきの暗い雰囲気なんて、もう感じさせない。