【完】大好きでした。






「不可能だろーが、絶望的だろーが、俺は夢を捨てたり絶対しない」

……なんで、

なんで、そんな風に思えるの?

どうして、


そんなにも真っすぐ前を見れるの??


翼くんは優しく笑って、思い出すように言った。



「……俺さ、話してみたかったんだよね舞と」

あたしと??

頭の上に?マークを浮かべてると、翼くんは優しく笑った。

「言っちゃ悪いけど、舞ってクラスに取り込めてないっていうか……」

頭を軽く描きながら、翼くんは優しい表情で話す。

「でも、帰りのHRになるとめっちゃ早く教室出てくだろ。コイツほんとは陸上部じゃねーの?って思うぐらい早くどっか行っちゃうし。
周りの奴らは、ノリが悪いとか、暗いとか、話しかけにくいとか言ってるけど。俺は本当は、不器用で、何かに夢中で、その何かにすげぇ一生懸命な奴なんじゃねーかって、ずっと思ってたんだ」

日向くんは「よっと」と言って机の上から降りた。

「そんでこの前話して、わかった。俺の予想どーりの子だって! 満足できねーなら、満足できる作品を描けよ。何十枚も、何百枚も、何千枚も。手首がなんだっつーの。んなの乗り越えちまえ。もったいねーじゃん。せっかく、こんなに人の心を惹き付ける作品描ける才能があるんだからさ」



そうニッと笑って、あたしの手からボールを取る。