今日も……来れないのかな。

最近、一回もここに来てないし。

……まぁ、涼みにきてるだけだもん。

……帰ろ。



鞄の中に、筆箱を入れようとした時、美術室のドアが勢いよく開いた。


「ぁ、いたっ! よかった!」


ドアの方には、満面の笑みを向けてくる翼くん。

そして、いつもみたいに、あたしのいる机の上に座る。


「涼しーっ! やっぱここ、風通し最高っ!」


ほら、涼みにきてるだけ。

それでも……



やっぱり、来てくれると嬉しい。


すごい、嬉しい。