お弁当を食べてると、「そーだ」と春部くんが話しをきりだした。

「なぁ、矢野さんって美術部なんだろ?」

「は、はい……」

「やっぱ? つばさぁ、お前が休憩中に行ってる場所って美術室だろ!」

「誰が言うかよ、ばーか」

「はぁっ? そんぐれーいいじゃん。なぁ、矢野さん、コイツ来てんだろ?」

「え、えと……」

い、言っていいのかな?

なんて答えていいかわからず、戸惑っていると日向くんが「しつけーよっ」と笑い飛ばした。

「ちぇーっ」

日向くんはシーッと人差し指を唇に近づけて、ニッと笑ってみせた。

キュン……って、しちゃったよ。

顔がカァァァッと熱くなる。


あたしは、赤くなった顔を隠すため、下を向きながらお昼を食べた。