「……なぁ、いーんちょ」
「ん? って、あたし委員長じゃないよっ」
「ずっと内緒にしてたことがある」
「……」
「俺、アイツから手紙きてた」
「え……」
“アイツ”
それは、ただ1人。
翼くんから、手紙……?
「若葉も知らない。知ってんのは、俺だけ。……翼が、今日まで言うなって」
「……うん」
「あいつは、もう戻ってるよ。こっちにいる」
「……うそ……」
「うん。で、あいつ、今なにしてると思うっ?」
悟史くんは、ケラケラと笑いながら言った。
「小学生のバスケのコーチ」
悟史くんの言葉に、あたしは思わず立ち止まった。

