涙が、止まらない。

あたしの前では、花火が始まっている。

花火の音と、生徒の歓声が耳に届く。


それと、彼の、優しい言葉も。





「待ってて」





え……っ?


「ずっとニューヨークなんて場所にいるつもりはない。何年後になるかわかんねーけど、絶対こっちに帰ってくる。

それまで、待っててくれるか?」

「うん……っ、待ってるっ」

「やった」

優しく笑った翼くんは、あたしの耳に、優しく囁く。

その言葉に、あたしはもう一度涙を流した。



「好きだよ、舞」




花火が舞う中、あたしたちはゆっくりと唇を重ねた。

待ってる。

ずっと、ずっと待ってるから。






『その時は、プロポーズさせて』