『翼に、幸せになってもらいたいんだっ!』
翼くん、翼くん……っ。
ごめんなさい。
あたしは、こんなにも、強欲な人間だった。
「翼くん……っ、これ」
あたしは、震えた手で高山くんからもらったメモを渡す。
「……これ」
「あたし……っ、翼くんの幸せも、バスケができる足も、翼くんにあげたいの……っ」
こんな強欲な人間で、ごめんね。
でも、どっちも、翼くんに欠けちゃいけないものだと思うの。
翼くんは、ギュッとあたしを抱きしめる。
「サンキュ。……これ、渡すの迷ったんだろ? ありがとな、渡してくれて」
「……っ、うんっ。ごめっ、ごめんねっ」
「……なぁ、舞。俺もさ、舞に言いたいことあんだ」
翼くんは、あたしの耳元そっと囁いた。
その言葉に、あたしの瞳から涙が溢れ出す。
『俺は舞の笑顔を見れたら、その日幸せだから』
そして、
この満面の笑顔も、あたしは失いたくないんだ。

