病室のドアの前に立つ。
「若葉ちゃん、ごめん……」
「……わかった。頑張って」
若葉ちゃんは「明日、聞かせてね」と言って、帰っていった。
あたしは、ゆっくり病室のドアを開ける。
「おっす、舞」
このメモを渡したら、翼くんの瞳に光りが入るの??
「……翼くん、あのね、話があるの」
「ん?」
「今まで、あたし何度も翼くんに助けられてた。ありがとう。何度言っても、足りないよ」
「……」
「……っ。だからねっ」
あたしは、グッと涙を堪えながら言う。
「今度は、あたしが翼くんの力になりたいの……っ。お願い、翼くん……っ、溜め込まないでっ」
あたしがそう言うと、翼くんが、グイッとあたしの腕を引っぱって、ギュッと、あたしを抱きしめた。

