「……これは、舞が決めて。
渡すか渡さないかは、舞が決めるんだよ。
悟史もあたしも、敦だって……望んでるのはただ1つ。
あいつがバスケをやることじゃない。
……翼に、幸せになってもらいたいんだっ!」
若葉ちゃんは、作り笑いなんかじゃなくて、本物の笑顔で、そう言った。
「あたし等3人もさ、舞みたいにあいつの笑顔に何度も背中を押された。あたしだって、こうやってバスケと向きあえてるの、翼のおかげなんだ。だから、あいつには、感謝してる。
感謝してるから、あいつの幸せを祈ってる」
“幸せ”……。
翼くん、翼くんの幸せは、なんですか??
きっと……その答えは、ただ1つだけ。
あたしは、ギュッと、メモを握った。

