あたしは、ゆっくりと、机に置かれたメモを取る。

そして、丁寧に書かれた文字を見て、目を丸くした。

そこには、スポーツ整形外科の住所と電話番号。

だけど、その住所を見て、あたしは思わずもっていたメモを落とした。




高山くんに言われた言葉を、あたしは思い出す。




『その紙を渡すか渡さないかは、舞先輩次第っすけど』




メモに書かれた文字が、涙でにじんでいく。


滲んだ文字は、“NY”という文字。