「って、彼氏が近くにいない子に手なんかださないっすけど」

「ぇ……」

「……俺もお人好しすぎるとは思うんですが」


高山くんは、ポッケから一枚の小さなメモを机の上に置いた。


「俺の知り合いにスポーツ整形外科やってるところがあって、ちょっと聞いてみただけなんで」

「……?」

「ってか……翼先輩のプレー、俺も結構嫌いじゃないんです」


高山くんは、ゆっくりと立ち上がる。


「でも、その紙を渡すか渡さないかは、




舞先輩次第っすけど」





そう言って、高山くんは美術室を出て行った。