「ぁ、舞……」 若葉ちゃんがあたしの存在に気づいて、あたしの名前を呼ぶ。 「お前、好きな女ができたんだろ。そいつを、守ってくって決めたんだろっ。 若葉をふって、そいつを大事にしてくんだろっ!! だったらっ!! その女を泣かせてんじゃねぇよ!!!」 「ぇ……」 「なに驚いた顔してんだ。毎日見舞いにきてもらって、気づいてねーのかよ。 ……ッ、あいつの目、よく見ろ。 腫れてんの、気づかねーのか」 翼くんは敦くんの言葉に、あたしに視線を向ける。 あたしは、思わず、視線を逸らした。