「才能ある奴はすげーよ。俺も……すげーとは思う。でも、“天才”に向かっていく奴の方が、 俺はすげーと思う。 “天才”になるより、俺は “天才”に勝てる奴になりたい」 そう言う日向くんは、すごく、キラキラしてた。 あ……、あたし、この瞳知ってる。 『ねぇ、ママみてみてー!』 『あら、上手ねー』 『あのねあたし、いらすとれーたーになるのっ! ピカソにだって負けない絵描くっ!』 『じゃあ、お母さん舞にサインもらおうかな』 『うんっ!』 小さい頃の、あたしだ。