翼くんが入院して、5日。

あたしは、いつものように翼くんの病室へと通う。

病室のドアノブに手をかけた時。




「ふっざけんなっ!!!!」




中から、いきなり怒声が聞こえてきた。

この声……敦くんっ?!


あたしは、病室のドアを開ける。

そこには、翼くんの胸ぐらを掴んでいる敦くんと、それを目を丸くして見ている若葉ちゃんと悟史くんの姿。


「お前、たかが膝を故障したぐらいでバスケ諦めんのかよ!!

んでお前は、周りのこと見えねぇんだ。
お前を応援してる人、あの会場に何人いたと思う?
そんなことも考えられねーんなら、そんなツラしてんなよ!!

自分が一番不幸なツラしてんな!!」



敦くんの言葉に、あたしはただ立ち尽くすことしかできなかった。