あれから、あたしは毎日翼くんのところに寄っていった。
クラスのみんなも、あたしと翼くんがつき合ってることを知っていて、だから文化祭準備の方はいいと、言ってくれて。
「そういえば、舞。コンクールどうだった?」
「ぁ、それがね、優秀賞だったんだっ!」
「マジっ? すっげぇっ!」
2人きりの病室で、他愛のない話をする。
……まるで、翼くんの膝は、忘れたかのように。
翼くん、翼くんが今言って欲しい言葉はなに?
欲しいものはある?
何でもいい。
何でもいいから、望んでることを、言って欲しいよ。
翼くんのためなら、なんでももってくるから。