……んっ。 あ、れ……。 ……あたし、寝ちゃってたんだ。 今、何時? ……もう、20時だ。 帰らなきゃ。 でも……翼くんの側を、離れたくなんかない。 「翼くん……」 あたしは、そっと、翼くんの頬に唇を当てた。 そして、病室を静かに出る。 「翼くんの……」 病室の前には、翼くんのお母さんが涙を流して、ソファに座っていた。