《ピッ ピッ ピッ》
病院の、手術室のランプが赤く光っている。
あたしは、ただ下を向いてその小さな音を聞いていた。
「舞っ!!」
「……わか、ば……ちゃん」
「翼はっ?!」
「……わか、んない……」
「……ッ。舞の所為じゃないからっ!!」
「だって……ッ、あたしを……っ」
「舞っ!!!」
若葉ちゃんは、目から大粒の涙を流していて。
あたしの頬に、ポタポタとこぼれ落ちる。
「悪いのは、舞でも翼でもないっ!! よそ見をしてた運転者が悪いのっ!!
だから、翼に“ごめん”なんて言わないで……っ」
「……っ、うんっ……」
翼くん……翼くん……っ。
お願い。
どうか、どうか……もう一度、笑顔をみせて。