唇が離れれば、しばらく見つめあう。
「ふっ」
「な、なにっ……?」
「いやっ、舞、顔すっげぇ真っ赤なんだもんっ」
カァァァァ。
顔が熱くなる。
真っ赤なのが恥ずかしくて下を向くと、上からクスクスと笑い声が聞こえて。
「戻るか。そろそろ、金里の説教がきそーだしっ」
「う、うんっ」
体を離し、立ち上がる。
歩こうとすれば、翼くんは当たり前のようにあたしの手を握った。
「ぷっ、顔赤っ」
「〜っ」
どうしよう。
想いが届いて嬉しいのに。
今まで翼くんの言動に、いつもドキドキしてた。
でも、今は……
胸がギュッとなる。