「……ッ」
翼くんの姿を見ただけで、泣きそうになる。
「ぷっ、泣きそうな顔してんなっ!」
ははっと笑って、すぐに優しい表情を見せる。
そして、グイッとあたしの腕を引っ張った。
あたしの体は、翼くんの腕の中にすっぽりと収まってしまう。
翼くんの体温に、涙が溢れた。
ハーフタイムの時とは違う……。
ドキドキよりも、緊張よりも、ずっと……安心する。
心地いい。
「舞、さっきの言葉……嘘じゃねぇよな」
「嘘で、あんなとこで言わないよっ……」
「ぷっ、だよなっ。……俺も、ずっと好きだった」
二度目の言葉なのに、
涙がでるぐらい嬉しい。