観客席から全力疾走で出る。

そして、外へと走って、周りを見渡す。

すると上から声が聞こえてきた。


「いいんちょー翼ならあっち!!!」


声がした方を見れば、悟史くんが、手を振っていた。

「……ありがとうっ!!!」

あたしは、悟史くんが指を指してた方へと走る。



体育館の裏側……。

前は、足を踏み入ることはできなかった。



でも、今は……迷いなく、足を踏み入れる。




体育館の裏側を覗けば、翼くんが壁に寄りかかって座っていた。