ダウンが終わって、あたしは美術室まで自分の鞄を取り、下駄箱のところまで駆け足。 下駄箱のところには、日向くんが、寄りかかりながら立っていた。 「? バスケ部のみんなは?」 「先帰った」 え? じゃあ、なんで日向くんは……。 「帰るか。送る」 「い、いいよっ! だって……」 方面、違うんでしょ?? 「方面ちがくても、暗くなったら送るのが男なのっ」 日向くんは「ほら」と優しく笑って、前を歩く。 あたしは小さく「……うん」と答えて、日向くんの背中について行った。