試合が、始まる。

観客席は試合が始まるのを待っているのか、ざわついていない。

十人が、コートの中央へと集まる。


その中には、翼くんと悟史くん、敦くんもいて。


三人の話を聞いて、あたしは……正直、羨ましいって思った。

大好きなバスケを、大好きな友達がやっている……それは、すごい嬉しいと思う。

あたしには、そんな存在がいなくて。

ずっと1人だったから。



翼くん、今……どんなキモチ?

敦くんと決勝戦……。



たぶん、嬉しいよね。



あたしだったら、すごい、嬉しいと思うんだ。