2ピリが終わり、ハーフタイムが終わった。
そして、52-54で2点差で相手が優勢で3ピリが始まった。
……あ、れ??
「おい……マジかよ」
観客席がざわめく。
あたしは、目をまん丸にした。
相手チームのオフェンス。
東丘のディフェンスのトップに立っているのは、前半は翼くんだった。
だけど、
今立っているのは悟史くん。
「あれ、やべーだろ」
「あぁ。いくら上を通させないためって言ったって、もし通されたら勝負になんねーよ」
「賭けだな、こりゃ」
周りの言葉が耳に入る。
でも、視線はコートから外せない。