あたしは両手で口元を覆いながら、思わずその場でしゃがむ。 笑顔で、みんなとハイタッチをしている翼くん。 その姿が、誰よりも輝いていて。 目に、涙が溜まる。 「……先輩」 あたしの目の前に高山くんが立っている。 「……なに座ってんすか」 高山くんはあたしの腕を掴んで、グイッと引っ張って、あたしを立たせた。 そして、その勢いで翼くんの元へと走る。 「やっぱ、敵わないっす」 高山くんの、小さな言葉を耳に入れて。 ほんと……敵わないね。 こんなにも、 見てる人を惹き付けるんだから。