しばらく目が合っていると、見回りの先生の足音が聞こえてきて。

翼くんは、あたしの手首を掴んで、体育館へと引っ張る。

そして、体育館の隅に無理矢理座らせられ、優しく手で口を覆われた。


「しっ」



足音が近づけば、翼くんがグッと距離をつめる。

気づけば、翼くんの顔が自分の顔のすぐ前にいて。



心臓が、跳ね上がる。




「つ、ばさくん……?」



距離が、さらに縮まる。

唇の距離が、あと数センチ。

胸のドキドキが止まらない。