い、いったー……。
でも、あんま痛くない、かな……。
「いってー……」
え……っ?!
バッと体を起こすと、あたしは、翼くんの上に乗っていた。
「つ、翼くんっ?!」
「いいんちょー、怪我ない?」
「だ、大丈夫だけど……つ、翼くんはっ?!」
「ん、へーき。ってか、なんで委員長が?」
あ、あれ……なんか……変な、感じ。
「ぁ、えっと、若葉ちゃんが翼くんが戻ってこないって……」
「あーそっかっ。俺、間違えて視聴覚室行っちゃってさっ。ごめんな」
「う、ううんっ」
なん、だろう……この、違和感。
翼くんは、散らばった小道具を、段ボールに集めて、持ち上げる。
「俺先に行くな、委員長」
あ……そっか。
もう、“舞”って名前では、呼んでくれないんだ。

