資料室のドアをゆっくりと開けると、中には誰もいなかった。
翼くん……違うとこに行っちゃったのかな。
資料室を見回すと、棚の上に小道具が入っている段ボール箱があった。
「これ、だよね」
精一杯手を伸ばすけど、もちろんあたしの身長じゃ届かなくて。
何か踏み台がないかキョロキョロすると、脚立が目に入った。
あたしは脚立を棚のところに置いて、ゆっくりと上に乗る。
うっ……バランス悪いなぁ……。
脚立に乗って、手を伸ばし段ボールを掴む。
段ボールを下に下ろそうとした瞬間、重さで体のバランスが崩れる。
「きゃっ」
脚立が倒れて、あたしの体も一緒に倒れてしまった。