「そう聞いたら、翼、なんて言ったと思う?」


若葉ちゃんは、苦笑いをして、涙まじりの声で言った。




「『俺の背中を、押してくれたんだ。だから、俺は守ってやりたい』って。




……ほんと、バカだよね」



若葉ちゃんの話に、あたしは目を丸くすることしかできなかった。


「誰のことなんだろーね〜、ほんとに」

若葉ちゃんは、「あともう1つ」と言って付け出した。


「翼なら、建物の奥の裏にいるよ」



そう言って、若葉ちゃんはみんなの所へと行ってしまった。