会場を出れば、バスケ部のみんながストレッチをしていて。

あたしは思わず、柱の陰に隠れた。


……なに、してんだろ、あたし。



「舞……?」


声がした方を見ると、若葉ちゃんが目を丸くして立っていた。


「見に、きてたんだ……」

「ご、ごめんっ! 今すぐかえ」

「ねぇ、舞」


若葉ちゃんは、あたしの言葉を遮って、あたしの名前を呼ぶ。

真っすぐで、切なそうな目で。



「翼と、なにかあったの……?」


やっぱり、わかっちゃうんだ。

……わかっちゃう、よね。

きっと、バスケ部のみんなも気づいてる。


ほんと、何してんだろ……あたし。


恥ずかしい。

気づかれてたのが、恥ずかしい。

バレてないと思ってた自分が、


すごく、恥ずかしい。