それから、東丘高校の点は、全部……翼くんが決めていた。
180cm以上の選手が目の前にいても、簡単に抜いていってしまう。
そして、4ピリ5分。
翼くんの3pが決まって、82-83で、東丘高校の逆転。
歓声が、大きくなる。
それと同時に、あたしの心拍数も、加速していく。
「一本! 大事にいくぞーっ!」
ドリブルをつきながら、人差し指をたてて、声を出している翼くんから、視線が外せない。
翼くんは、近づいてきた優斗くんへとパスを出す。
そして、パスをした後は、中へと走り、優斗くんからパスをもらう。
目の前には、185cmを超えてる選手。
でも、あいてのまたの下にボールを通し、そのままレイアップ。
また、歓声がさらに大きくなって。
《ピーーーーー》
試合終了の音が、会場で鳴り響く。
東丘高校のみんなは、輪になって喜んでいて、
その中心に、翼くんがいた。