試合が始まれば、流れは東丘高校が圧倒だった。

最初の1ピリで、差は12点差。

その点のほとんどが、翼くんのアシストで決められていた。


東丘高校のオフェンス。

ボールは、翼くんがドリブルをついている。

「一本! しっかり決めるぞっ!」

大きな声が、ここまで聞こえる。

ドリブルを、1つ、2つ、とついて、一気に前へと進む。

そのスピードは速すぎて、マークについていた人は追いつかない。

だけど、進んだ先には、もう一人のディフェンスがきて。

翼くんは、自分の前にディフェンスが来た瞬間に、ボールを左斜め後ろへと投げる。

ボールが投げられた場所には、悟史くんが立っていて。


3pラインから、真っすぐシュートを打った。

ボールは、リングに当たらずに、綺麗にネットへと吸い込まれる。