「あ、あれっ? 今日、試合……」
「違うけど、やっぱ見ないとでしょ」
ぁ……翼くんを、見に来たんだ。
「ところで、舞チャン。東丘高校の応援席はあちらですよ」
「……っ」
あたしが座ってる席は、サイド側の右側の席。
東丘高校の応援席は、左側の奥の席。
真逆の方に座ってるんだから、敦くんに言われてもおかしくない。
「ったく。まぁ、俺にはどーでもいいけどさ。気になんのは試合だし。
……ウィンターカップ予選みたいな結果には、ならねーみたいだしさ」
敦くんは嬉しそうに笑って、奥の試合コートを見ている。
あたしは、ウィンターカップ予選の時と同じように、両手を合わせた。
どうか、どうか……
みんなが、勝てますように。