あれから、翼くんとはちゃんと喋っていない。

同じクラスで、お昼を一緒に食べても、目も合わせない。

会話もしない。

そんな日々が、続いていた。


そして5月になり、関東大会予選が、始まった。

一回戦は、一般の私立校。



あたしは、こっそりと試合を見に行った。

試合会場って、毎回こんなに広いとこでやるのかな……。

新人戦の時とは違う会場で、市民体育館じゃなくて、総合体育館。


そこは、市民体育館より観客席が多くて。

どこに座ればいいのかな……。



キョロキョロしていると「まーいちゃんっ!」とポンと誰かに肩を叩かれた。

「きゃっ」

「ははっ、久しぶり〜」

「あ、敦くんっ?!」

振り返れば、敦くんがイタズラっぽく笑っていた。