「んで、泣くんだよ……」

「ごめっ……」

期待しちゃいけない。

翼くんは、あたしを恋愛感情で見てない。


そう思うと、涙が止まらなかった。



「……ごめんな」



翼くんは、そう言って、後ろのドアから美術室を出て行った。




“愛を捧げよ倖せあり”



このとき、本当の気持ちを言っていたら、


こんな苦しい思いをしなくてすんだのかな。