切なさと、嫉妬で、涙が溢れ出す。

高山くんは、あたしの涙をそっと親指で拭う。

「俺にしてよ……」

切なそうに言う声に、思わず顔を上げる。

高山くんの顔は、すぐ目の前にあって。


「ぁ……っ」

言葉が、でてこない。

唇が触れそうになった瞬間だった。


「舞……?」


高山くんの向こう側から、あたしの名前を呼ぶ声がして。

見れば、翼くんが目をまん丸にして立っていた。