4月になって、入学式が終わった。
クラスはあたしと翼くんと若葉ちゃんが2組で、悟史くんだけ3組。
入学式が終われば、校内は部活勧誘で盛り上がり中。
美術部は宣伝活動なんかしなくて、黙々と美術部で作品を描いている。
コンクールの絵も、この前応募したし……。
何、描こうかなぁ。
そんなことを考えてると、体育館の方からバスケ部のみんなの声が聞こえてきた。
あたしは思わず、美術室を飛び出して、体育館へと走った。
「よしっ! 10分休憩っ!」
悟史くんの声が聞こえて、あたしはゆっくりとドアを開けた。
「ぁ、まい〜っ!」
「えへへ、きちゃった」
「大歓迎っ!!」
「若葉先輩、誰っすか?」
クリンクリンの目をした、男の子が若葉ちゃんに聞く。
わぁ……この子、すごい可愛い子だなぁ。
男の子だけど、すごい可愛い。
「あたしの友達♪ 舞、この子新入部員の高山徹(タカヤマ テツ)くん」
「よろしく、お願いします」
少し照れくさそうに、笑う姿はちっちゃな子供みたいで、すごく可愛くて。
思わず、赤面してしまった。