「あけてみろ」

あたしは、ゆっくりと、封筒の中身を取り出す。

「これ……」

中には、美大のパンフレット。

それも、一冊だけじゃない。

たくさんの美大の資料が入っていた。


「いい、の……?」

「舞、あのね、お母さんもお父さんも、舞の絵は大好きよ。でも、無茶だけはして欲しくないの。

だから、無茶をしないって約束するなら、

大学でも舞の好きなだけ絵を描いてきなさい」


お母さんの言葉に、あたしの目から、大粒の涙が溢れ出した。

封筒に、涙が染みていく。