家に帰って、夕食を食べるためにテーブルの椅子に座る。
話さなきゃ、話さなきゃ。
「そういえば、舞。進路とかの話はでてるの?」
お母さんの言葉に、ドキッと心臓が飛び跳ねる。
「舞は、どの大学に行くんだ?」
「舞なら国公立も行けるんじゃないの?」
「……っ、あのねっ、あたし、
専門学校に、行きたいっ」
あたしの言葉に、お父さんとお母さんは目をまん丸にした。
「専門学校って……絵を、描くの?」
「うん」
「でも、手首は? 描けるの?」
「前みたいな絵は、描けない、けど……でも、描けないわけじゃない」
「舞、手首を痛めてる人がそう簡単に行けるところじゃないんだぞ。行けても、そこで絵を描いてどうする? 今の絵で上に行けるのか?」
「……ッ」
「舞、絵は諦めてもっと」
「諦めたくない……っ」
「舞……?」
「絶対、描き続けたい……っ」
あたしの絵を、好きだって言ってくれた。
『あたし、あなたの大っファンなのっ!!』
『俺はこの絵が好きだって、すげぇって思う』
2人も、言ってくれたんだ。

