新人戦予選が終わって、2月に入った。
バスケ部のみんなは、次の大会の関東大会予選に向けて練習をしている。
あたしは、コンクールに出す絵をやっと完成させた。
「……どうしよ」
去年、出さなかった絵。
この絵だって、前の絵と比べたら数段落ちる。
こんなの……出して、いいのかな。
「舞ー」
美術室でそんなことを考えながら、絵とにらめっこしていると、翼くんがいつものように、美術室のドアを開けた。
「お、それ完成したやつ?!」
「ぁ、うん……」
「すっげーっ!! これ、コンクールに出すやつだろ?」
「……うんっ」
「絶対入賞できるって、これ! っと、そーだ。これ、担任から」
翼くんはあたしに、二つ折りにされた紙を渡した。